アラビア語「塾」

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アラビア語“塾”語学研修10日間 to オマーン ~ 第5日目 2007年9月18日(火)

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アラビア語“塾”語学研修10日間 to オマーン ~ 第5日目 2007年9月18日(火)

8:00 集合。マスカット・シーブ国際空港に近いゴールデンチューリップホテルを出発。スールに向かいました。今日も朝からいい天気です。
車は1号車、ドライバーはアブドッラー、ガイドのジャミルさんと、やっこちゃんと姐さんが同乗者です。途中道が悪いという話です。
マスカット市内を抜けしばらく進むと、道路がところどころ崩れているのが目に入りました。6月のサイクロンで崩壊したのこと、かなりの破壊力にびっくりしました。
11:00 Bimah Sinkholeに到着。
一見何かの施設のよう。中へ入っていくと周囲を塀で囲まれた巨大な穴があります。クレーターです。中には水が溜まっています。階段で水辺まで行くことができるので、降りていきます。
階段1段1段が高くて、日本人には結構大変。オマーニーだってそんなに大きい人はいないので、大変ではないのかと思う。

Bimah Sinkholを出発し、Fins Beachへ。
白い砂浜と青いアラビア海に太陽がキラキラと反射してコントラストがとても素敵だった海岸線、今は砂浜にどこからか流れ着いた大量のゴミが散乱し、白い砂浜は消えてしまっていました。ジャミルさんからもここは以前はとても美しい海岸だったという説明がありました。

海岸を出発し、ワディ・シャーブに向かいました。ワディが見えるところで車を降りました。
サイクロンの影響は海岸から離れたこの場所をも襲い、生い茂っていたはずのナツメヤシの木はなぎ倒され、見るも無残な姿に。ニュースでは知っていたけれど、サイクロンのすさまじさ、自然の驚異をまざまざと見せ付けられました。しかもサイクロンの傷跡以上に、ショッキングなものがこの場所にありました。

ワディの上にまったく似つかわしくない巨大な建造物が。
なんと高速道路の橋脚。中国企業の建設とのこと。今回見てきた道路の損傷からみれば、オマーンにとっては必要なものなのでしょうが、別にこの場所でなくても…と複雑な気持ちになりました。

気を取り直し、ワディ・Tiwiに向かいました。
ワディ・シャーブほどではありませんが、ここにもサイクロンの傷跡がありました。

 カルハット(ビビ・マルヤムの廟)を経由してスールの町に到着。まずはダウ船造所に向かいます。
建設中のダウ船の上に上っていき中を見せてもらいました。中では船を作っている職人さんたちが食後(?)のお昼寝中でした。職人さんたちを起こさないようにしながら、船の舳先まで行きました。
船を下りてきて、造船所の敷地をお借りしてランチタイムです。私たちがランチを食べている間に、ガイドさん、ドライバーさんたちは給油に行きます。ラマダン真っ只中、一緒に食べることはできないのでちょうど良かったのかも知れません。
 14:45 造船所を出発し、いよいよワヒバ砂漠に向かいます。
手前の町でタイヤの空気も抜き、砂丘へ入る準備も完了。待望の砂丘はもうすぐそこです。
一般道からオフロードへ入り、しばらく進むと目の前には砂丘が見えてきました。今夜の寝床である1000 Nights Campまで、しばらくはデザート・サファリが続きます。

砂丘に入って程なく、同乗の姐さんが車にしがみついているのに気づきました。しかしそんなことに一向に気づいていないアブドッラーは、砂丘に突進していきます。確かに1号車のドライバーだけあって、腕は確か。安心して乗っていられます。やっこちゃんと二人楽しんでいる間も、姐さんは必死だったようです。

高さのある斜面を下りた後、後続の車が続いてきません。後ろの斜面を見上げると、3号車、4号車が止まっています。
「スタック?」と思ってしばらく眺めていると、3号車の誰かが走っている姿が目に入りました。アブドッラーが救出に向かいました。なんと斜面の端っこで、4号車がスタックしていました。エンジンをかけても砂の中でタイヤが空回りしている状態。そんな4号車を記念に撮影。
可哀想な4号車をその場に残し、とあるベドウィンのお宅をいきなり訪問。私たちをそこで降ろし、ドライバーチームはベドウィンからロープを借りて、4号車を救出すべく戻っていきました。その間、私たちはデーツとアラビックコーヒーのおもてなしを受けていました。

ようやく無事救出された4号車のメンバーが到着。
外に出ると、砂地の上をふんころがしが一生懸命らくだの糞をころがしていきます。あっちでも、こっちでも。
中には大きな糞をめぐって争うふんころがし、自分の体の2倍はありそうな糞を転がすものも。ふんころがしたちはいったいどこまで糞を転がして行ったのかは見届けられませんでした。糞を転がしているふんころがしを、今回初めて見ました。

休憩も終わって、いよいよ今夜のキャンプを目指して走ります。再び砂丘に突入しましたが、姐さんの様子に変化が。聞くと、大分慣れてきたとのこと。良かった、これで心おきなく後ろからアブドッラーを煽れます。
楽しかった砂丘が終わり、何もないただの砂地をひたすら走ります。途中、1000 Nights Campの看板を発見。が、行けども行けどもそれらしきものがありません。かなりの距離を走り、あたりも薄暗くなった18:30頃、ようやくキャンプに到着。

立派なテントです。中にはきちんとベッドがあり、テーブルと鏡があります。でも暗いテントの中、使い道があるとは思えません。
さらに各テントには専用のトイレ&シャワールームがあります。しかもテントからシャワールームまで砂地を歩かなくても済むように、飛び石が敷いてありました。砂漠の中とは思えない、至れり尽くせりの設備です。
ベッドサイドのテーブルの上にやる気のない明かりを発する懐中電灯がひとつあります。この明かりでは何の役にも立ちません。ここで持参の懐中電灯が活躍です。

今夜の夕食は、BBQです。手前のテーブルにミントティーとアラビックコーヒーがありました。まずはミントティーを飲みます。甘くておいしい。
それから夕食。BBQということなので、その場で焼くのかと思っていましたが、すでに調理済みでした。
食後、隊長が取ってきてくれたデザートを食べ、ミントティーとアラビックコーヒーを飲み、楽しい夜が過ぎていきました。

夕食後テントに戻りましたが、私たちのシャワールームはすでに水が出ず、明日の朝には復旧していることを願いつつ寝ることに。
風を通すために、テントの窓を開けるように檜先生が各テントを回っています。元々の紐はすでにちぎれて役に立たず、紐の代用になるもので固定し一ヶ所のみ開けました。
開けたのが一ヶ所だけだったためか、眠ろうとするものの暑くて眠れません。なのにベッドには毛布がセットされています。こんなものいるのかと疑いつつもようやく眠りに。と思ったら、頭の先で激しい猫の泣き声が。一瞬で飛び起きました。外に出てみましたがどこにも猫の姿は見えず、何だったのだろうと思いつつ再びベッドへ。
明け方寒くて目が覚めました。暑くて剥がしてあった毛布を引き上げて、再び就寝。
(文責:砂漠さん)


【4号車に乗っていたウンム・アリー(=アリーの母)より一言】

4号車のドライバーのアリーはとても腕の良いドライバーで、普段はおとなしく紳士的なのですが、砂漠にはいったとたん人が変わったように「ひゃっほ~」とばかりにすっとばし、砂漠でのドライビングテクニックを誇っているようでした。
アリーに言わせると、他の3台はスピードが遅いと・・・砂丘の上でスタックした時は、前の車との車間距離を大きくあけるために待機していたのです。
スピードを上げて降りて私たちを喜ばせたかったんだよね!アリー


【キャンプ場の夜】

旅行中、シングルルームを希望していた私は、今日も一人部屋で過ごすことになった。
案内されたテントは広く、電気はなく、明かりは、ランプと懐中電灯のみ。テントそれぞれの離れにトイレ、シャワールームがある。
トイレにランプを置き、入ってみる。うわぁ~怖い。小さな虫がいる。シャワーは浴びないことに決めた。そうなると夜は長い。

砂漠でのドライブで恐ろしい目に遭ったのに、ここでも、暗闇の中、怖い思いをするのかと暗澹とした気分だ。
恐ろしい目というのは、私が乗っていた車のタイヤが、砂漠に埋もれて動かなくなるとうハプニングに見舞われたのだ。
車酔いもあり、身も心も弱くなった私に、お世話係さんが、「怖かったら、私のテントに来てもいいよ」と言ってくれた。夜、隣のテントに行こうかと思ったが、そこに行くにもランプを持ち、足元がおぼつかないなら、このまま自分のテントで耐えて過ごすしかなかった。

夜中に目を覚まし、テントを出て、天空いっぱいの星を眺め、感慨に耽っていた。
時計を見ると5:30?あっもう起きてしまおう。お隣のテントのお世話係さんも外に出ていたので、
「もう起きてしまうから、起こさなくていいよ」
「えっっ?まだ夜中よ」
とお世話係さんが言った。そう、私は夜の11:30に隣に声を掛けてしまったのだ。ごめんなさい。

それから私の砂漠での長い夜が始まった。雲の間から見える月と星をしばらく眺め、ベッドに戻り、なんとかまた眠りにつこうとした。
私のテントの後ろは、ドライバーか現地の人が泊まっていた。ずーとアラビア語でなにやら話している。語学研修旅行とはいえ、まったく理解できず、なんだか恐ろしさに拍車がかかる。
そのうち眠りに落ちたが、朝方、彼らの付けたラジオで目が覚めた。もちろんアラビア語。夜明け前の祈りと食事が始まったのだろうか。やかまし。
「うるさーい!静かにしなさーい!」
と心で叫び、ベットでじっと耐える私。ドライバーたちだと思ったので、彼らに日中運転してもらっている身としては何も言えない。それにアラビア語がまったく使えないし…。それでなくても暑さと車酔いで参ってしまってぐったりしてばかりの私はドライバーの彼らにはとてもお世話になっていたから。

連日の暑さと車酔いで、ばてばての私でしたが、先生、隊長、そして隊員の皆様の優しいお心遣いのお蔭でとてもいい修学旅行になり、また砂漠でのキャンプという貴重な体験もできました。
語学研修の成果がなくて先生には悪いなぁと思っていますが、懲りずに次回も参加したいなぁと思います。その折もどうぞ皆様よろしくお頼み申します。
(文責:姫)[本当は「アリの助手席」というハンドルネーム希望でしたが…なぜか「姫」とい名前を頂戴しました。車酔いでアリさんの助手席なのに助手でなかったからかしら?]

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