アラビア語「塾」30周年記念パレスティナ巡礼紀行
2018年10月30日(月)- 5日目
執筆:タッブーレ先生
ナブルス番外編(ハンマーム探訪記)
ナブルスのハンマーム
スークの通りから小道を通り階段を上ってハンマームの入り口に行くと、「今日は夕方4時まで女性の日」との看板。アラビア語の張り紙しかないけど、観光客は行かないのか?
張り紙があるドアを開けると、右側にお金を払うところがあるようだが、誰もいない。料金の看板がある。入浴35シェケル、マッサージ15シェケル、あかすり10シェケル。安い!そのまま進むと、そこは天上の高い広い休憩所になっているところだった。真ん中には小さな噴水、その上に水たばこの道具、壁際には休憩できるスペースがある。壁にはトルコとパレスチナの国旗が飾られている。ここはトルコ式のハンマームだ。お店の店長らしき女性に、日本から観光に来たので見学させてほしいと伝えると、快く承諾して案内してくれた。写真撮影はもちろん禁止。このハンマームは13世紀に建てられたそう。昔はもっとたくさんあったらしい。
ハンマームの中は、女性たちで混雑していたが、服を着て見学している私たちにとてもフレンドリーに接してくれる。着替え部屋、サウナ、スチームサウナ、ホットタイル部屋がある。部屋の真ん中に大きなホットタイルがあり、その上に女性たちが寝転んでいる。ホットタイルの周りには個室になっている洗い場、マッサージルーム、あかすりルームなどがある。壁は湿気がたまらないような特別な石で作られているそうだ。また、ハンマームの天上はドーム状になっていて、こぶし大の穴がたくさんあいている。電気のなかった時代、太陽の光を取り入れるためのものだという。結婚前の女性が特別に受ける施術のようなものもあるらしい。今日は残念ながら入れないけど、また必ず来ると伝えると、握手しながら満面の笑みでいつでも歓迎すると言ってくれた。今度入りに行かねば。個人的にシリア、イエメン、リビア、エジプトとハンマームに入ったが、だいたい同じような作りだったと思う。でもこのハンマームはとても広くてきれいだった。それからマッサージなど働いている女性たちが若かったように思う。かつて訪れたハンマームでは、お母さんやおばあちゃんというかんじの女性たちが洗髪やあかすりをしてくれた。ナブルスにはダマスカスハンマームもあるようなので、いつかまたナブルスでハンマーム巡りをしよう。