アラビア語「塾」

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アラビア語「塾」30周年パレスティナ巡礼紀行(その11)

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アラビア語「塾」30周年パレスティナ巡礼紀行(その11)

 

アラビア語「塾」30周年記念パレスティナ巡礼紀行

2018年11月2日(月)- 8日目
執筆:エルサレムで慰めを受けた者

自由行動 ~ その2

 

今日は終日フリータイム!
エルサレム市内を自由に散策できる。行きたいところが沢山ありすぎて1日で全て回れるのか?
1日を有効に使いので、眠かったけれど起きて6時30分からのホテルの朝食行けるように起床。
1日中歩くので、朝食はしっかりとった。が、食べ過ぎてかえって体が重い感じ。
8時過ぎにホテルを出て、路面電車LRTの駅へ。
昨日午後のフリータイムでLRTに乗った時に乗車券の買い方を教えてもらったので、スムーズに乗車券購入。

すぐに電車も来た。行き先は終点の「マウントヘルツル(Mount Herzl)駅」まで。エルサレムの街並みを見ながら20分程度で終点到着。

「マウントヘルツル(Mount Herzl)駅」を降りると、ヘルツルの丘へのゲートが見えた。高校生と思われる15人程度の学生グループと一緒にゲートをくぐると、そこは静かな公園だった。少し登っていくとイスラエルの建国の父「テオドール・ヘルツル」の墓があった。

学生達は先生からの説明を真剣に聞き、写真をとっていた。
ほかにも国を率いた指導者が眠っている。例えば、イスラエル第5代首相のゴルダ・メイアの墓もここにある。

ヘルツルやゴルダ・メイアは、それぞれ夢・理想を持ち、それを実現させたのだと思う。
彼・彼女の墓前で、どんな夢・理想だったのか思いを巡らせてみた。そして、私自身の夢・理想は?どうやったら実現できるのか?社会の一員として何ができるのか?いろいろ考えてしまった。
公園内の広場では、いくつかの学生・先生のグループが車座になって議論をしていた。彼らも指導者の生き方に触れ、自身の意見・理想を仲間に披露しているのだと思う。このような経験は、学生自身及び社会にとって非常に有意義な機会だと感じた。

散策後、ヘルツル博物館を見たいと思い、チケット売り場へ。売り場のお兄さんから、英語ガイドツアーは2時間程度待つと言われ、入館を断念。
近くにある「ヤド・ヴァシェム(ホロコースト歴史博物館)」は、昨日見てしまった。
では、イスラエル博物館へ行こう。
チケット売り場のお兄さんにイスラエル博物館への行き方を教えてもらった。

通りを挟んでバス停が2つあり、どちらのバス停か迷ってしまう。バス停にある案内表示はヘブライ語とアラビア語しかない。困った。ちょうど、小さな女の子を連れた若いお父さんがやってきたので聞いてみた。お父さんはスマホで検索し、このバス停ではなく、通りを渡った向こう側のバス停で、しかも、あと3分でくるから急いで通りを渡って行くよう教えてくれた。検索ですぐに情報を入手できる凄さをまざまざと知った瞬間だった。危うく反対方向に行きそうだった。

お父さんの言葉どおり、バスはすぐにやってきた。料金分の硬貨を手にしてバス料金箱へ。運転手さんに止められた。お金が足りないと。よく分からいので、20シェケル札を見せたところ、運転手さんはそれを受け取り、ICカードを取り出して料金箱の機械を操作していた。どうやらICカードにチャージをしていたようだ。そして、私にICカード、お釣り、レシートを渡してくれた。後で分かったことだが、このICカードは「ラヴ・カヴ」というものだった。レシートでICカード代5シェケル+運賃5.9シェケルの計10.9シェケルかかったと理解。レシート交付はありがたかった。

バスはものすごいスピードで坂道をくねくね走っていった。
次の問題は目的地のイスラエル博物館付近のバス停で降りること。車窓からはそれっぽい建物は分からない。車内の表示、アナウンスもさっぱり分からない。前方に綺麗なビル群が見えて来てバスが止まったので、降りようとしたら、近く座席に座っていた女性から「ここは大学よ。博物館はまだ。」と教えてもらった。そのままバスに乗り、少ししてイスラエル博物館前のバス停に到着。運転手さんが教えてくれた。

イスラエル博物館到着。10時開館まであと30分近く時間がある。館内で少し休憩。
開館10分前にチケットを買って入場。真っ先に有名な死海写本館へ直行。
死海写本館のほかにも考古学棟など複数の棟があって、展示も膨大で、見学にすごく時間がかかった。正直なところ現代美術はあまりよくわからなかった。死海写本館とユダヤ芸術&生活棟の見学だけで十分だったと思う。
金曜日の日暮れから土曜日の日暮れまでは「シャバット」と呼ばれる安息日のため、金曜日の開館時間は通常より短い14時。13時過ぎに展示の見学を終え、ミュージアムショップへ。

13時30分頃、博物館を出てバス停へ。次はエルサレム旧市街へ行くので、バスと路面電車を乗り継いで行こう。
20分くらい待ってバスが来た。ICカードと運賃分の現金を準備。しかし、運転手さんから「車内でチャージできない。」とのこと。よく分からずにいると、運転手さんは私から現金を受け取り、新しいカードを出してチャージを始めた。そして、新しいカードとレシートを渡してくれた。ICカード2枚。前とはちがってICカード代は請求されなかった。

行きのバスと同様、このバスもものすごいスピードで走っていた。あっというまに終点のセントラルバスステーション。ここからは路面電車に乗り換え。90分以内であればバスから路面電車に乗り換え可能なので、路面電車分の運賃支払いは不要。すごくありがたいシステム。

15分程度で旧市街のダマスカス・ゲート駅に到着。旧市街に入って食事をしよう。
一昨日にツアーのみんなで昼食をとった店にしよう。ファラーフェルが美味しかったので。
お店でファラーフェルとホンモス(ひよこ豆ペースト)とパンを20シェケルで。一昨日日のメニューより品数が少ないこともあり、一昨日の5分の2の値段20シェケルだった。
美味しいので満足。量が多すぎて全部は食べられなかった。
結構歩いて疲れたし、シャバットで金曜日の夕方から公共交通機関が運休する前にホテルに戻ることにした。

昼食をとった店から30分くらい歩いて14時30分過ぎにホテルに到着。
朝昼とたくさん食べたので、夜は紅茶とベツレヘムで買ったクッキー。
帰国翌日にあるプレゼンの資料を読んだり、ゆっくりいろいろ考えていた。何でイスラエルに来たかったのかを。

エルサレムの地にいることは20年以上願っていた夢。
中学・高校は毎朝礼拝の時間があり、週1回聖書の授業があった。
正直、礼拝や授業には興味なかったが、聖書の授業で使っていたノートの表紙だった十字架を背負ったイエス像の写真はすごく気になっていた。こんな苦しそうな写真に興味を持つ理由がよくわからなかった。イエスはみんなの罪を背負って死んで、その後、復活した。その舞台となった場所に行ってみたいと思った。
そう思いながらエルサレムに関する本を買って読んでいた。その中に、嘆きの壁を中心とした夜のエルサレムの写真と次の聖句があった。

「母がその子を慰めるように。私はあなたたちを慰める。エルサレムであなたたちは慰めを受ける。これを見て、あなたたちの心は喜び楽しみ、あなたたちの骨は青草のように育つ。」
(イザヤ書66:13-14)

エルサレムで慰めを受け、よりよい生き方ができればいいなと思った。

しかし、なかなか行く機会に恵まれなかった。それでも願い続けてようやく実現した。

そして、この旅行で新たな夢・理想ができた。その新たな夢・理想に向けて進んでいきたい。ゴルダ・メイアの次の言葉を胸に刻んで。

「自分を信じなさい。
一生付き合って幸せな気分でいられるような自分を作り出しなさい。」

8日目:エルサレム番外編へ→

タッブーレ先生の旅行記

タッブーレ先生の旅行記はタッブレー先生が別行動をした際の記録です。

ラーマッラーへ。
ダマスカス門近くのバスターミナルから、ラーマッラー行きのバスに乗る。7.6シェケル。途中のカランディーヤ検問所を抜けて、ラーマッラーへ。検問所近くの壁にアラファト議長の絵。

ラーマッラーのバスターミナル到着。9歳のムハンマド君が、おずおずと無言でパレスチナのIDカード入れを売りにきたので購入。1シェケル。今日は学校が休みだそう。金曜日だから。

ヤ―セル・アラファト博物館へ。入ってすぐ、屈強な兵士に守られた棺。

入場料は1ディナール。1ディナールは5シェケルだそう。パレスチナの通貨はディナールらしい。

パレスチナ各地についての情報を引き出せるスクリーン。音声ガイダンスを借りていざ見学へ。

博物館の中は、映像や詩、アラファト議長の所持品、見ごたえ充分。アラファト議長の演説に思わず拍手。

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通路の最後、アラファト議長の死去を報道する写真の前では、バンクシーの「風船を持った少女」が分離壁を越える映像作品も見ることができた。5分間の素敵な映像。

係員さんに連れられ、アラファト議長が過ごした部屋を見学。

オフィス、キッチン、護衛の部屋、寝室、すべて当時のまま。カーペット以外は、と係員さん。

壁紙の模様は、ひとかた。どれくらいの人が難民になったのか、おそろしい数。

ミュージアムショップでは、アラファト議長の本やグッツが買える。値段はすべてディナール表記。

アラファト議長に別れをつげて、マフムード・ダルウィーシュ博物館へ。
入ってすぐ、お墓がある。博物館の中は詩と彼のデスクや所持品が展示されている。

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この博物館の建物は、本を開いた形になっているそう。ちょうど反対側のホールでは、日本人写真家の広河隆一さんの展覧会が開催されていた。

ミュージアムショップでは、作品集やグッツが買える。

ランチはシャワルマ屋さん。金曜日でほとんどのお店が閉まっている中、運転手さんが見つけてくれた。
羊肉のシャワルマとファンタで18シェケル。食べきれないくらいの量のシャワルマ一人分。前日まで食べてたランチは120シェケル、70シェケル、110シェケル・・。フレッシュジュース20シェケル・・。なんかおかしい。

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ランチの後はタイべの町のビール醸造所へ。ビールを試飲後、ビールやワイン、オリーブオイルを購入。来年はワイナリー見学もできるそう。

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行こうと思っていたパレスチナ刺繍工房は金曜のためお休みで行けず。開いているお店でお土産のお菓子を大量に購入。ラーマッラーでの価格の安さに驚く。

夕暮れ時バスターミナルに行くと、催涙ガスが降ってきて、街の人々と同じように目と口をスカーフで覆う。毎日のことらしい。イスラエル軍はどうやって撒いているのか・・。
本やビール、ワイン、お土産を両手にいっぱい、無事エルサレム行きのバスに乗り帰宅。噂通り帰りのカランディーヤ検問所ではパスポートチェックあり。が、バス後方の席でごそごそパスポートを取り出している間に兵士は降りて行った・・。218番のバスは偶然ホテルの目の前にバス停があったので、帰りは簡単。またラーマッラーには行かなくては。パレスチナ現代美術館も、刺繍工房にも行ってないのでまた近いうちに。

8日目:エルサレム番外編へ→

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